ジャブール フェルト化現象
 羊毛の仕組み
1本1本の羊毛の表面はウロコ状のスケールを
持っています。
これは髪の毛で言われる、キューティクルと言わ
れるものです。
このスケールは竹の子の皮のように根元から先に
向かって重なり合っています。
 フェルト化現象の原因
 スケールの先から引っ張るとスケールの先端が抵抗となり移動しにくくなり、根元のほうから 引くと抵抗も無く、移動します。
 このように摩擦抵抗に異方性があり、根元から先端に向かう時と逆方向では摩擦係数の値が異なります。
 スケールが反対方向に作用しあうと、絡み合います。
 羊の背中の毛、人間が洗髪しても絡まないのはこのためです。
 特に濡れた場合、羊毛自身が膨潤し、スケールが開いた状態となり、よりフェルト化しやすい状況になります。また、繊維が絡み合ってくる現象をフェルト化と言い、これが生ずると縮みの原因となります。
 逆にこの性質を利用したものが、手芸用に用いられるフェルト生地などです。
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